Back to the menu

98/02/15
第四回
入魂企画
はじめてのJAZZ
世界一わかりやすいジャズ入門
楽器特集第一弾
バリトン・サックス魅惑のせかい


■ その3.バリトン・サックス演奏のじっさい

 第三部はちょっと趣向を変えて、バリトン・サックスについて頻繁に尋ねられる二、三の事柄にQ&A形式でお答えします。



Q1.音を出すのはタイヘンですか?

 よくある質問ベスト・ワンです(笑)。ちょっとしたコツは必要かと思いますが、決して難しくはありません。実はサックスってサイズが小さくなればなるほど、音が出しにくくて音程も難しいのです。ゆえにもしかしたらアルトなどよりも簡単かもしれません。少なくともソプラノよりは楽でしょう。


Q2.肺活量は必要?

 これまたとても多い質問ですが、実はそんなには必要としません。まぁそりゃあったに越したことはありませんが、正しい呼吸法が出来ていれば十分です。大学のビッグ・バンドなどではなぜか女性のバリトン奏者も多いですね。ジャンケンに負けてしまったのか、男性に無理矢理押しつけられてしまったのか(笑)。


Q3.音程は難しいの?

 これはちょっと微妙ですな。実は低音域は楽勝なんです。慣れればワケないッス。ところが高音域がちょっと大変。かなりの高音まで出せるのですが、高くなるにつれて難しくなって来ます。プロでもたま〜にコケてますね。よく「低い音タイヘンでしょう?」と言われますが、実は逆なんです。


Q4.マースピースとリードは何を使っているの?

 マースピース、リードと言えば管楽器奏者のイノチ。サダナリの場合は...


 
マースピース
リード
ジャズ・セット オットー・リンク
メタル(金属製)6番
リコー・ロイヤル3番
クラシック・セット セルマー
ラバー(樹脂製)Eサイズ
リコー・ロイヤル3番または
ヴァンドレン3番


 ...という組み合わせで吹いています。ジャズ・セットはヒジョーにお下品なイカしたサウンドで、もうバリバリに鳴りまくっております。コントロールも容易で、大好きな組み合わせですね。リンクのメタルはお薦めです。音が出しにくいと思われているバリトンですが、組み合わせ次第ではテナーの様な吹き心地を得ることも出来ます。
 クラシックを演奏する時は一転、超正統派のモコーっとした音色で、いかにもクラシックという感じに変身します。こちらはちょっと息の量が必要、気の抜けない組み合わせです。

 ちなみにセルマーのラバーは新大久保の山野楽器ウインド・クルーで購入しましたが、試奏時に防音ブースの中でなんかノッて来ちゃってね、ちょこっと踊ってしまって、とってもキレイな店員のお姉さんの失笑を買いました。どうでもいいですね、そんなハナシ(笑)。



おことわり

「マースピース」は「マウスピース」ではないかとのご指摘もあり
英語で'mouthpiece'ですから確かにそうですな
しかしまぁ、口語ではほとんど「まー」と伸ばすもので
慣例として「マース」と書きました
「火星の平和」とは無関係です(たぶん)


Q5.演奏姿勢はどんなの?

 クラシック、ビッグ・バンド以外はほとんど立って吹きます。イスに座って演奏する楽器だと思っている方も多いようですが、ジャズ、ロック系のバンド演奏ではまず座りません。第一、座っちまったら踊れないじゃん!(サダナリの場合、観ている人以上に曲中で踊るのが楽しみなのだ)。一応正しい演奏姿勢は...




ふむふむ、3番目がシブイね、なんとも
悪い例は...



(東亜音楽社刊「楽器演奏のヒント・バリトーン・サクソフォーン」より)


 左から[ツッパリみたいにおこっちゃダメ][カトちゃんみたいにふざけちゃダメ][多少ヘタでも落ち込んじゃダメ]ということらしいです。


Q5.演奏上の注意点は?

 二点あります。まずはマースピース、リードはその人に合ったものを慎重に選択するということ。管楽器ならば当たり前のことですが、バリトンでは特に慎重に。なにしろ超低音からかなりの高音まで、非常に音域が広いので、偏りのない、バランスの取れたマースピースとリードを見つけましょう...ってこれがなかなかないんだよなぁ。低音は有名ですが、実はなかり高音まで出るんですよ。ところがその高音時のパーツと「鳴らし方」が難しい。
 「自分の口とマウスピースは一体だから、口のなかを教えられないように、どうやって吹くかは教えられない」と言ったのは、テナー・サックスのイノヴェーターであるかのレスター・ヤングですが、バリトンの場合これが一層強くなります。パーツが違えばほとんど「別の楽器」ですね。

 ですから酔っぱらった勢いで他人のバリトンを借りたりすると、おたよりコーナーの第二回に書いたようなヒサンな出来事(ホントは吹けるハズなのにマトモに演奏出来なかったヨ事件)が待ってまっせ。ちなみにあの翌週、今度は仙台のジャズ・バーで「バリトン本体借り物+マースピースとリードは東京より持参」で吹かせてもらったところ...こちらは絶好調でした。名誉挽回も図れましたが、マースピース、リードの重要性も痛感致しました。

 もう一点はこれまた当たり前ではありますが、体調を整えて吹くということです。なにしろ相手がデカイんで、呼吸はもちろん、楽器のポジションと支持、腕や手や指、リズムの採り方...等々、体全体を使ってコントロールする必要があるのです。「スポーツ」とまで言うつもりはありませんが、呼吸とかバランスとか、さしずめ「太極拳」あたりの感覚でしょうか?
 ちなみに私は(本来は)演奏時には一滴もアルコールを摂りません。二日酔いの時もキツかったな。体調の善し悪しが恐ろしく音に出る楽器でもあります。


■ その4.バリトン奏者のヨロコビと悲しみ 「バリトン吹きは世捨て人」?

 まずは人はなぜバリトンを選ぶか。ねぇ、なんででしょうねぇ。あんな重くて高いもの。ちなみにお値段のほうは軽自動車よりは確実に高く、小型車くらいするんですよ。メーカーによる差はありますが、有名なセルマー社製の場合、本体+ショルダー・ケースでちょうど「大台」に乗ってしまいます。

 私の場合は...実はアルトからの持ち替えです。といっても「計画的持ち替え」で、アルトを買った時から、「しばらくしたらバリトンに」と考えていました。
 理由は、う〜ん...思い切り、ブチ切れてみたかったんですよ。なんか、もう「バリトン個人持ち」って人生捨ててるようでイカスじゃないですか(笑)。まぁマジな話、あんな旧ソ連軍の重戦車みたいな無骨な楽器を操って、ゴリゴリとスウィングして行くなんて、そのヘンクツさがいかにもジャズって感じがしませんか?本来はソロ楽器ではないのに、メロディーをとったり、アドリブを吹いたり...「バリトンでジャズを演ること」に強烈な反骨精神を感じて、たまらなく魅力的に見えたんです。

 それにサラリーマンでアルトなんか吹いてると、わたせ某の漫画みたいで、なんかキザったらしいじゃないスか。よく言われるんですよ「ハー○カクテルみたいな感じなの?」とかね。ところが私は全長1mのバリトンで低音ブリブリ(笑)。ヒネクレ者の私には、そんなバリトンがピッタリです。かように精神的なところから「バリトン人生」を選んだ、という感じが強いですな(アルトの方をバカにしているワケではありませんよ!私はテレ臭くてダメ、ということです)。

 もちろんサウンドも大好きでした。アンサンブルの中で、バリトンの音が気になって気になって...。曇っているけど腰の強い、あのサウンドを自分でも出したかった!みなさんも意識しないで聴いているけど、実は最高のスパイスになっていると思いますよ。サウンドについては続く「バリトン紳士録」でゆっくりと。
 あとはなんと言っても映画『真夏の夜のジャズ』だ!このコーナーの第一回にも書いたけれど、あの映画に登場するバリトン奏者、ジェリー・マリガンのカッコいいのなんの!あれを観てバリトンの虜になり、しまいには大枚叩いて買っちまったって人−人生誤ってしまった人−かなりいると思います(笑)。

 そしてそのバリトン奏者の悲しみは...あまりないなぁ、移動で肩が凝ることと、仲間が少ないことくらいでしょうか。そう、仲間が少ないのはちょっと寂しいけれど...逆に出会った時の感動は大きいです!電車の中などでアルトやテナーのケースを持っている人を見掛けても、いちいち声を掛けたりはしませんが、さすがにバリトン同士だと、どちらからともなく挨拶して、時間の許す限り情報交換をしますね。まぁ「同病相哀れむ」というか(笑)。でもなんかイイでしょ、これは大きなヨロコビであります。
 約5年間で3回くらいでしょうか、挨拶したり、話したり。中でも満員の総武快速の中で3mくらい先に同じ楽器を持っている人がいたときはお互い驚きました。最初のセリフが「楽器なんですか?」「多分同じだと思いますよ」だったという(笑)。岡田さん、がんばってますか?井の頭線の渋谷駅で肩に担いで運んでいる人を見た時もびっくりたけどね(笑)。

 もしも「バリトン・サックス」で検索をかけて、このページに辿り着いたプレイヤーの方がいっらしゃいましたら是非ともメールを下さい。ベースを弾いている写真を出したらベーシストの方からたくさんメールをいただきましたが、これからはバリトン奏者から続々と...とはならないか(笑)。日本に於けるバリトン人口は、残念ながら不明であります。

 あとは自分が参加することでサウンドが一風変わったモノになること、これこそバリトン吹き冥利に尽きますね。でもアレンジ結構難しいんだけど(笑)。


Sada & Bari

at the station

again


 CDは意外に出てるんですよ。多過ぎず少な過ぎずで、ゆっくりとコレクションして行くのに丁度いい量です。というわけで、こちらよりジャズ専攻コースへ編入が可能です。バリトン紳士録&おすすめCDの大特集をタップリとお楽しみ下さい。

 再びちょっと口の悪いニャロメをクリック!しっかし自分で言うのもなんだが、ヘンなホームページだね、まったく(笑)。



CDはニャンと30連発ニャ!
早くクリックしろニャロメ!




前頁 ・ コース選択 ・ MENU