川 島 雄 三 図 書 館



サヨナラだけが人生だ
映画監督川島雄三の生涯

今村昌平・編

昭和44年11月1日初版
ノーベル書房 \3800(絶版)


 川島研究本三部作(?)の筆頭と言える一冊。川島の死を悼み、昭和44年に一番弟子の今村昌平により編纂された。映画人、俳優、文学者の文章からなる一大「鎮魂の書」。その人数は実に50名を超える。主な執筆者に水上勉、吉村公三郎、新藤兼人、浦山桐郎、柳沢類寿、森繁久弥、小沢昭一、若尾文子、池内淳子など。いずれの文章も追悼文の性質の強いものだが、なにしろ達人揃いゆえ長短に係わらず印象深いものが多い。
 今村昌平氏による故郷・田名部の探訪と親族への取材調査は貴重だが、その他にも死の数カ月前に当時『キネマ旬報』の編集者だった白井佳夫氏に川島自らその半生と作品評を語った「自作を語る」や、藤本義一氏の川島伝記小説「生きいそぎの記」の完全収録、「幕末太陽傳」の完全シナリオなど内容は豊富である。
 平成3年に紙質を変え、写真を追加し再版。この時、初版に収録されていた『シミキンのオオ!!市民諸君』のシナリオは削除された。絶版のため、現在入手困難。古書市場にたまに出回るが高価である。A5変版カバー帯、全408ページ。


 平成3年7月の改訂二版を最後に絶版となっているこの本、実は新古本が"あるところにはある"模様。東京・青山の青山ブックセンター(ABC)に限りたまに店頭に並ぶ。販売価格は定価の\3800。但し本当に稀な話しなので、根気強くABCに通うか、少々高価でも比較的流通量の多い古書市場で狙うかは微妙なところ。






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