00/02/13 部分更新
若人のための
日本映画入門
戦後黄金期編






 名画座で観る [ 東京編 ・全国編 ]




 日本映画探究の王道、ではありますが、最近は苦境に立たされております。地価高騰、映画人気衰退等の影響から邦画名画座が相次いで閉館に追い込まれているのです、ってオイ、先日書いたジャズ喫茶と同じだぞ(笑)。

 しかし!確かに数は減ったけど、まだまだ健在、がんばっています、ってこれまたジャズ喫茶の文章を流用してしまう(笑)。まずは東京・横浜から。




次は何だろうと楽しみな
並木座のチラシ
裏面にある「ナミキ・トオル」氏の
コラムも秀逸


 銀座・並木座 [ '98年9月22日 名門終焉... ]
 東京一の老舗。通いました。大学時代に入り浸っていた。ここで紹介した映画の大半は並木座で観たものです。新旧日本映画専門、洋画は一切かかりません。「小津特集」「黒澤特集」「溝口特集」「成瀬特集」等々、夢のようなプログラムで現在も頑張っています。人気作品では立ち見も出るほど。黄金期の息吹を感じられる貴重な空間です。






22日午後9:30ごろ
最終上映終了後の銀座・並木座
取材陣と映画ファンたち
追記・並木座閉館

 TV、新聞等で御存知の方もいらっしゃると思いますが、平成10年9月22日(火)をもって銀座・並木座はその45年の歴史に幕をおろしました。
 最後の上映は成瀬巳喜男特集の『おかあさん』『晩菊』。定成も駆けつけましたが、場内は立ち見が出るほどの超満員でした。そんな中、なんと運良く、というかほとんど奇跡的に、約15年間坐り続けて来た「指定席」(3列目一番左)に坐ることが出来ました。この席もこれが最後かと思うと、感慨深いものがアリ...。
 夜9時の上映終了時には観客全員が拍手、その後も名残を惜しんだ映画ファンたちが入口付近から立ち去ろうとしませんでした。

 しかし、これでまた、日本映画が遠くなる...。

[ 98/09/23記・写真も定成 こちらに関連ページあり ]






最後の特集は
名匠・成瀬巳喜男の世界



閉館を告げる謝辞






 大井町・大井武蔵野館 ['99年1月31日 砦落城]
 わが街大井町が誇る老舗名画座。「名画座最後の砦」を自称する頼もしいコヤ。かつては一階が洋画の「大井ロマン」、三階が邦画の「武蔵野館」という天国のような場所だったが、現在は一階がカラオケボックスになり、三階のみに規模が縮小されてしまった。
 しかしプログラムは意欲的。松竹時代の大島特集、寅さん以外の山田洋次特集、川島雄三映画祭など日本映画ファンには涙の出るような企画で楽しませてくれる。超マイナー作品中心のレイトショーも凄い。多用化の昨今、昼の番組は洋邦半分ずつになっている。
 我が家から歩いて10分、昨日も行ったが、今週末も行く。高校2年生以来20年近い付き合いである。はっはっは、並木座よりも文章が長くなってしまった。身びいきである。

 平成10年秋からは閉館した銀座・並木座の跡を継ぎ、「発掘作品+巨匠の名作」という感じで、より広範囲に邦画旧作の上映を充実させると宣言。そしていきなり小津特集!頼もしい!。


昼は名画
夜はカルトの二毛作




追記・大井武蔵野館閉館

 これまたTV、新聞等で御存知の方もいらっしゃると思いますが、平成11年1月31日(日)をもって我等が大井武蔵野館もその歴史に幕をおろしました。

 最後日まで大井らしさを貫き通してくれましたよ。まず通常プログラム「ラスト・ジャパニーズ・ヒーロー三船敏郎特集」の『五十万人の遺産』(昭和38年/監督三船敏郎/三船プロ・宝塚映画)が20:30すぎに一旦終了、ここで全員入れ替えをして21:00からいつも通りのレイトショー「日本映画『お宝』発掘キャラバン」がスタート。これが本当の最終上映でした。
 ところがこれがこれがまぁ『ヘアピン・サーカス』(昭和47年/監督西村潔/東京映画)なる超マイナー作品で(苦笑)、原作者五木寛之ファンの父親の影響で私はた〜またま知っていましたが、まぁ、この映画知ってるひとは1万人にひとり(笑)。

 そんなプログラムにもかかわらず場内は超満員。入場出来ずに帰る人も出る騒ぎでした。取材陣も凄かった。テレビ局数社がキャメラを廻し、レポーターが喋り...並木座よりも多かったです。「並木座は博物館、我々は発掘隊」と宣言していた大井らしい最後、しかも西村潔監督−川島雄三の助監督のひとりで一橋出の秀才ながら迷走。'80年代に「女湯盗撮」で逮捕、'90年代に葉山の海岸で入水自殺−の作品とういうのが、なんともご立派かつ凄まじい...。

 22:30の終映後には有名な小野善太郎支配人の挨拶があり、「復活したいという希望を込めて、スクリーン前の幕は閉めません」と、巨大なスクリーンの前でのスピーチとなりました。大井の閉館...この意味は特別です。遂に文芸路線専門の邦画名画座が東京から亡くなってしまいました。初めて行ったのが高校2年の時。それ以来16年、一体何本観たのだろう。大井がなければ、日本映画ファンとしての私も、勿論このページも無かったかもしれません。これ以上、言葉がない...。

 しかし、こうして列記するのも、名画座の「死に水」を取っているようで、辛いなぁ。2/28の亀有名画座閉館は欠席致します。






閉館の挨拶をする小野支配人
左側はテレビ朝日のキャメラ

[ 99/01/31 定成撮影・右も ]


閉館後も立ち去らないファン達
入口には支配人と取材陣






 自由が丘武蔵野館 [オシャレな街で勝新を ]


美輪明宏と三島です
 かつては「自由が丘推理」という体育館型の洋画名画座で、そばの踏み切りを東横線が通るとグラグラと揺れていた(笑)。数十年前に高校生だった母親が通い、申し合わせたわけでもないのに十代の終わりに私も通っていた。
 10年ほど前、思いっきりオシャレに改装。最近、日本映画レイトショーが始まった。このプログラムも凄い。三島由紀夫特集、勅使河原宏特集など、女性好みのカルト邦画が多いところは場所柄か。スクリーンの大きさと音の良さが嬉しい。

 日曜日の晩にもレイトショーをやっているのもイイ。家が近いので良く行くのだが、さすがに日曜の9時から11時に勝新太郎主演の前衛作品など観る物好きは少なく(笑)、ガラガラの客席でじっとスクリーンを観ていると、自分のために上映してくれているのでは?などという都合のいい勘違いも起こしてしまう。「特別な場所で、特別な時間」という感じが...うん、映画の魅力そのものだ!。

 大井閉館後は「邦画旧作に力を入れる」と言っていたけれど、それらしき雰囲気ナシ。どうした、武蔵野興業!。






中野の二大人気企画
どちらもスゴイインパクト


 中野・中野武蔵野ホール [オタクな街のカルトなコヤ ]
 ここも武蔵野興業系。洋邦新旧取り混ぜての斬新なセレクションで、若い映画ファンを中心に人気急上昇である。市川崑、コミック映画、ドリフ映画などこりゃ若い連中に人気でるわけだ、と、いいながらドリフ特集には私も通った(笑)。
 '99年10〜11月の石井輝男監督特集は一大事件!上映作品は日本カルト映画の最高峰『江戸川乱歩全集・恐怖奇形人間』(昭和44年/東映京都)、わずか18歳の池玲子がオールヌードで大立ち回りを演じる『やさぐれ姐御伝・総括リンチ』(昭和48年/東映京都)などの異常性愛路線から、ハラワタねじれる超爆笑アクション・コメディ『直撃地獄挙・大逆転』(昭和49年/東映東京)までの厳選6作品。期間中は連日・連夜の満員、立ち見であった。そして各作品の最後には場内から拍手も。実はサダナリ、6本全部通ってしまいました(笑)。11月5日には石井監督来館というプレゼントもあった。
 ホールの先には「まんだらけ」で有名な「オタクの殿堂・中野ブロードウェイ」もあり。なんか、まぁ、若者向けのカルトな街になったよ、中野も。





− 2000/02/13追記 −


 うむ、なんとも武蔵野興業グループの紹介の様になってしまったが、この他のコヤも頑張っています。並木座、大井武蔵野館という2大名画座の閉館を受けて、あちらこちらが頑張り始めた。新規開館も相次ぐ2000年代の東京の邦画名画座事情をご紹介。


 渋谷エリア [オシャレな街で旧作を ]
アップリンク・ファクトリー−渋谷系(死語)に人気を博した加賀まり子主演の『月曜日のユカ』(昭和39年/日活/中平康監督)なんてここから火が点いたんじゃないかな。ATG時代の大島渚、'60年代の増村保造監督作品など、私も頻繁に通っています。レイトショーに限らず、日中から日本映画を掛ける貴重な場所です。

シブヤ・シネマ・ソサエティ−'99年春開館。「午前中が日本の名画、午後が洋画、夜が現在の日本映画」というコンセプトを持つ頼もしいコヤ。'99年中の上映作品は黒澤、小津などの有名作から、明大映研時代の川島雄三がエキストラ出演した『五人の斥候兵』(昭和13年/日活多摩川)まで実に多彩であった。
 1年を経て昼夜の構成は少々変わってしまったが、往年の名画はしっかり上映されている。2000年2月からは「日本映画の黄金時代」と題した特集もスタート、第一弾は小津作品『晩春』(昭和24年・松竹)であった。多忙な都会人に合わせた1作品2週間という長い期間が嬉しい。オールナイトでは懐かしのGS映画『ザ・スパイダースのバリ珍道中』(昭和43年/日活/西河克己監督)などもやっており、ちょっと大井武蔵野館の雰囲気もあるなぁ。

シネセゾン渋谷−西武系の人気館、シネセゾンも「THE JAPANESE CULT NOVELIST STRIKES BACK」などと題して突如、安部公房原作/勅使河原宏監督の初期三部作『おとし穴』(昭和37年/東京映画)、『砂の女』(昭和39年/勅使河原プロ)、『他人の顔』(昭和41年・東京映画/勅使河原プロ)の3本立てオールナイトをやったりした。場所が場所だけに若い世代の注目度大。今後にも期待!

ユーロスペース−渋谷からもうひとつ。ミニシアターブーム発祥の地、ユーロスペースもレイトショーながら邦画旧作に注力しはじめた。10年ほど前はヨーロッパ系アート作品の殿堂で、私も本当にお世話になった場所なのだが最近は邦画ばっかり観に行っている。数年前の2スクリーン拡張でプログラムに柔軟性が出た模様。
 最近の話題はなんといっても'99年6〜7月の「至極のモダニスト−中平康レトロスペクティヴ」。裕次郎が快演するソフェスティケイテッド・コメディ『あした晴れるか』(昭和35年/日活)、戸川昌子原作・出演のエロティック・ミステリー『猟人日記』(昭和39年/日活)、そして早過ぎた前衛エロティック・ムーヴィー『砂の上の植物群』(昭和39年/日活)など全8作。あのセレクションには唸った!いや、中平康ってホントにカッコイイんだよ!
 その後も勝新太郎主演のアクション映画『ど根性物語・銭の踊り』(昭和39年/大映)などを含む「自選・市川崑特集」などを上映。この調子でがんばってクダサイ。


市川崑と中平康いずれもユーロスペース
チラシもオシャレ


 中央線・小田急線沿線 [中央線文化依然健在!]
シネマ下北沢[下北沢]−'98年12月開館。日本映画スタッフ達による手作り名画座である。「日本映画を上映するところがない。それならば自分たちで作ってしまえ」という意気込みで開館。勝新太郎の傑作シリーズ『悪名』一挙5作品、『野良猫ロック』シリーズ上映などレイトショーでの旧作上映が嬉しい。

ラピュタ阿佐ヶ谷[阿佐ヶ谷]−'99年春開館。アニメ系専門館と思われていたが、実は邦画旧作ばかりを上映。ホームページには館主の「小津、溝口、黒沢、成瀬を始め日本映画の堂々たる巨匠、名匠たちの作品をこの"文化都市"東京で上映している場所がない!」という言葉がある。
 新作公開に合わせた若松孝二監督特集では名作『水のないプール』(昭和57年/若松プロ)や『我に撃つ用意あり』(平成2年/若松プロ・松竹)を上映。その後は黒澤明シナリオ作品特集、岡本喜八全作品一挙上映(!)など。かなりチカラが入っています。
 私も喜八ッツアンの快作、『ああ爆弾』(昭和39年/大映)、『ダイナマイトどんどん』(昭和53年/大映)、『ジャズ大名』(昭和59年/大映)でも久々に観に行くかな(笑)。いずれも大好きな作品です。

BOX東中野[東中野]−ここも思い出したようにカルト邦画をやる。ビデオ上映も可能という特色を生かして昨年夏は大蔵映画の超カルト怪談作品、『生首情痴事件』(昭和42年/大蔵映画)、『沖縄怪談逆吊り幽霊/支那怪談死棺破り』(昭和38年/大蔵映画)などを4作品を上映。不肖サダナリも'60年代の3本にはしっかり通ってしまいました(笑)。

新宿昭和館[新宿]−任侠専門の名門名画座。新宿騒乱の頃、ここで青春を過ごした方も多いのでは?そして現在でも...しまった!今日、野田幸男監督/杉本美樹主演の傑作『0課の女・赤い手錠(わっぱ)』(昭和49年/東映東京)やってる!今から観に行こうかなぁ...。




悪名シリーズ
at
シネマ下北沢


■シネマ下北沢ホームページ
 http://www.cinekita.co.jp/
■ラピュタ阿佐ヶ谷ホームページ
 http://www.ask.ne.jp/~laputa/
■BOX東中野ホームページ
 http://www.mmjp.or.jp/BOX/


 銀座エリア [並木座亡きあと頑張るシネパトス ]
銀座シネパトス−邦画名画座衰退に対して一番頑張っているのはここかもしれない。三原橋地下道の二番館がミニシアター風に改装されたのが10年ほど前のこと。洋邦新作中心だったプログラムがここ1、2年、邦画旧作に急接近している(ただしレイト)。
 『あなた買います』(昭和31年/松竹大船)、『切腹』(昭和37年/松竹京都)などの小林正樹監督特集全6作や、『女が階段を上がる時』(昭和35年/東宝)、『秋立ちぬ』(昭和35年/東宝)といった成瀬巳喜男監督特集全8作など実に充実。特に週末の成瀬特集は満員であった。しかし、三原橋で観る『秋立ちぬ』、たまらなかったなぁ...。ATG特集、市川雷蔵特集、藤純子特集なども上映、ちょっと目の離せない注目のコヤである。


市川雷蔵
at
シネパトス

若い女性ファンも
増えているとか


 浅草エリア [レトロタウン浅草、一巡して最先端に!]
 ここを忘れちゃいけません!時代を超越したプログラムが、一巡して最先端になってしまった(笑)、浅草の老舗名画座たちです。

浅草東宝は日中は東宝系ロードショー館。しかし、土曜夜の旧作オールナイトに人気集中。並木座、大井武蔵野館あたりの常連が邦画カルトを求め集団で移動しているのがココだ!(笑)。喜劇、怪奇から文芸までセレクションは豊富。なによりもあの巨大なスクリーンが嬉しい。浅草のわりに(?)治安もヨイ。

浅草新劇場は超お買い得3本立て。ヤングな邦画マニヤのためでなく、地元のオトッツアンのために組まれたプログラムは「喜劇+任侠+エロ」などアヴァンギャルドな組み合わせでブっ飛ばしてくれる。たとえば今週の「ぴあ」を見ると...なんじゃこりゃ?! 『都会の空の用心棒』(昭和35年/日活)+『太陽を盗んだ男』(昭和54年/キティ)+『三匹の侍』(昭和39年/松竹)...時代差20年、アクション+バイオレンス+時代劇、共通点はなんなんだ〜?!浅草に呑みに行く度にポスターの前で爆笑してしまう。但し!オカマのチカン、喫煙、喧嘩等も頻発。かなりの覚悟をキメてから向かわれたし。

浅草名画座は正統派任侠専門館。タランティーノ狂いのヴァイオレンス・ファンは深作欣二監督『仁義なき戦い』シリーズを、石井輝男狂いのカルト映画ファンは『網走番外地』シリーズをここで!場所柄"ホンモノ"のお客さんに気をつけろ!


 並木座、大井武蔵野館の相次ぐ閉館で、「もう駄目だ」とまで思った邦画旧作上映事情ですが、ここ1年位で大分状況が変わりました。整理してご紹介するのが大変なくらい上映館が充実、嬉しい限りです。
 並木座、大井武蔵野館がなくなって「もう若い世代から日本映画ファンは現れないんじゃないかな」と心配していたのですが、こりゃ大丈夫だな。上記の映画館を渡り歩いていれば、かなりの作品数がチェック出来るでしょう。そんな新しい世代の登場も感じさせる、ちょっと嬉しい東京名画座事情であります。

 なおこれ以外に大森駅前のキネカ大森も石原裕次郎特集、新東宝・中川信夫監督特集などメジャーからカルトまでの特集をたまに組みます。

 ちなみに「日の当たらない邦画特集」で知られた池袋・文芸地下'97年3月休館。ビルになって新装開店というウワサは聞いているけれど音沙汰ナシ。どうなんだろう?。ピンクの殿堂かつ「アンヌ隊員」ことひし美ゆり子さんを招いての「アンヌ IN 東映」などで頑張っていた亀有名画座'99年2月一杯で閉館してしまいました。

 横浜では京急黄金町駅そばのシネマ・ジャックが素晴らしい。俳優特集に強し。特に数年前の「原節子の総て、全34本109日」には驚いた。最近も三船敏郎特集をやっていた。がんばれシネマ・ジャック!。


 この企画を知人に話したら、「へぇ、サダナリくんってヴィデオ・コレクターなんだ」と言われた。違うぞ!映画とヴィデオは別モノである。私はほとんどヴィデオは持ってイナイ。大の「名画座派」なのだ。ちょっと古いかもしれないけど、あの暗闇と大きなスクリーンが大好きなのだ。ヴィデオなんてミニコンポみたいなもの、映画館は「ライヴ」ですから...。







 さて、東京中心の情報発信はいけないと考えて、出張のついでに情報誌などを買い、全国の邦画名画座情報を集めました。東京以外にお住まいで、「邦画旧作をスクリーンで観たい!」という方はこちらで!。



 大阪・名古屋 [邦画やってよミニシアター ]
 まずは大阪から。有名な十三の「ナナゲイ」こと第七藝術劇場がヨーロッパ系映画と共に小津特集などをやってくれてます。しかもレイトではなく日中の通常のプログラムで。ありがたいことです。シネ・ヌーヴォ梅田のレイトショーでも『月曜日のユカ』(昭和39年/日活/中平康監督)あたりをやってますな。
 新世界は...東京で言えば浅草の名画座のノリでしょうか(笑)。任侠、喜劇をタップリ上映。たまに文芸作品が混ざっているところも似ている。新世界東映日劇会館新世界公楽劇場など。根性キメてどうぞ。

 ちょっとしたミニシアター・ブームの感のある大阪エリアですが、97年の2月に「さよならだけが人生だ川島雄三映画祭」をやった梅田のシネマ・ヴァリテはどうなってしまったのでしょうか?最近買った情報誌には出ていなかったのですが...情報求む。東京ではあまりやらない織田作之助原作の浪速物『わが町』(昭和31年/日活)をやったので、マジで東京から観に行こうかと思ったんですよ。

 名古屋はうーん、ミニシアターとしては今池の名古屋シネマテークが有名ですが、あそこ古い日本映画もやるのかな?名駅付近ではシネマスコーレが中国映画の特集上映などをやっているようですが、やはり日本映画は?...こちらも情報求む。いくつかの自主上映は確認しましたが、それは追って、「定期上映会・自主上映」のコーナーにて。



− 2000/02/13追記 −


 大阪の旧作邦画事情、何人もの方からメールを頂きました。それらを総合しますと...

第七藝術劇場−閉館
・シネマ・ヴェリテ−"シネ・ヌーヴォ梅田"としてリニューアル、しかし閉館

 少々寂しいですな。しかし最近、シネマアルゴ梅田が大活躍中。石井輝男特集、ジャパニーズピンキーヴァイオレンス特集などなど。『徳川女刑罰絵巻・牛裂きの刑』(昭和51年/東映京都)に、あ!『野良猫ロック』全5本連続上映がある!私は5本とも観てるけど、4作目『マシン・アニマル』と5作目『暴走集団'71』の大ファンなのだ。ヴィデオじゃなくて、スクリーンで観たいなぁ...。情報提供は村上玄さん、さわきさん、あじんさん。ありがとうございました。



 広島・福岡 [見ずに死ねるか生首情痴事件! ]
 広島には常打ちの邦画名画座はありません、が、凄い企画が進行中。タカノ橋商店街のサロンシネマでやっているオールナイト企画「見ずに死ねるか、ニッポン。これぞ日本映画の神髄」だ!。例えば98年10月は『安城家の舞踏会』(昭和22年)、『偽れる正装』(昭和26年)、『夜の河』(昭和31年)、『暖流』(昭和14年)という殿山泰司...じゃなかった、吉村公三郎監督の4本立て。うーん、広島の人はやることが熱いわい。セレクト的にもこのページと完全に一致。広島在住の読者は必ず行くべし。サロンシネマはこれ以外にもレイトショーでちょこっとやっている模様です。

 福岡は読者の方から情報を頂きました。中州・オークラ劇場が昼はポルノとゲイ映画、夜に日本映画のコダワリ企画で話題を呼んでいるそうです。例えば、昨年の11月には「幻の怪談映画レイトショー」と題して、『生首情痴事件』(昭和42年/大蔵映画)、『沖縄怪談逆吊り幽霊/支那怪談死棺破り』(昭和38年/大蔵映画)などなど...3年前に大井武蔵野館でやって、超満員になった超マニア企画!最近も渋谷のアップリンクファクトリーやBOX東中野でちょっことだけやったものです。イイなぁ、福岡の映画ファンは...。

 この他にもオークラでは「ドリフターズ映画特集」や「谷ナオミ映画特集」(花と蛇!)を計画中。東京からゲストまで呼んでしまおうってんだから、うーん、九州の人も熱い!。情報提供は地元在住の高倉美恵さん。どうもありがとうございました。



 札幌・仙台 [ Meigaza Not Found... ]
 札幌は南3西6のシアターキノがヨーロッパ・アジア系のオシャレ映画にはめちゃめちゃ力を入れていますが...日本映画はやらない様ですね。「ゴダールよりも溝口」なんだけどなぁ...。しかし札幌には35年の歴史を持つ「札幌映画サークル」があり、彼らが主催する「日本映画名作祭」では黒澤や内田吐夢、そして川島雄三などが観られます。これものちほど「定期上映会・自主上映」のコーナーで。

 仙台、ここも常打ち館はない模様。でも気になる自主上映が3つほどありました。これもやはりこちらのページにて。



 以上、どうにか集めた各地の情報ですが...「邦画旧作をスクリーンで」というのは全国的にどんどん難しくなっている様です。しかしそんな中でも、広島や福岡の様な、ガンバッている劇場主さんというのは嬉しいですね。

 しかしだ、今回じっくり調べて気付いたのだが、全国各地で「中国・台湾映画特集」というのを実に良くやっているのだな。そりゃまぁ、名作も多く、私もよく観るけれど「特集するならまず自分の国」じゃないか?と、あえて苦言でこのページおしまい。






ミニシアターパラダイス
とまぁサダナリがごちゃごちゃ書いているが、実は全国のミニシアターを網羅したホームページがあるのだ。しかし、コレ眺めてると、新幹線に乗って観に行きたくなってしまう(笑)。デザインも素晴らしい。
http://minipara.com/






「日本映画を観る5つの方法」に戻る
「定期上映館・自主上映で観る」に進む






番組表 ・ MENU